前回、確定申告のための損益計算エクセルファイルを公開しましたが、いくつか疑問が残っていたので私の居住地の埼玉県の某税務署に色々質問してきました!
昨年の投資とかの損益計算完了!!ちょっと税務署行って確認してくる!
— げがんげん@はてなブログ (@77Gegangen) 2018年1月4日
きっと皆さんも同じように疑問に思っていると思いますので、その内容を公開したいと思います。
ちなみに暗号通貨の税金計算については税務署側も手探り状態とのこと。もしかしたら皆さんの居住地の税務署では異なる見解かもしれないことを了承ください。
- 質問1. 結局、仮想通貨の売買での損益は通算していいの??
- 質問2. 所得内通算(損益通算)したら利益は20万円以下だけど、所得内通算しなかったら利益は20万円を超える。こんな時、確定申告はする必要ある??しなかったら脱税とか言われない??
- 質問3. 仮想通貨間の売買 (仮想通貨と仮想通貨の交換) 時の損益計算は、具体的にどう計算したらいいの? 取引時の日本円のレートなんかメモってないから分からないんですけど...。
- 質問4. 円建てで購入できない(日本円でのレートが分からない)仮想通貨の損益計算はどうやればいい??
- 質問5. 総平均法を用いた仮想通貨の損益計算はどうやるの??国税庁のPDFファイルを読んでもよく分からないんだけど...。
- 疑問は解決できましたでしょうか
質問1. 結局、仮想通貨の売買での損益は通算していいの??
『仮想通貨の取引での利益』と、『仮想通貨の取引での損失』は通算していいとのことでした。この場合は損益通算ではなく、「所得内通算」と言うそうです。これはどこの税務署でも同じ見解です。「同じジャンル」内での損益は通算して何の問題もないとのことでした。
ただし「同じジャンル」というのをどう解釈するかは中々難しいそうです。例えば同じ雑所得のカテゴリに分類される「仮想通貨」と「競馬」を損益通算していいかは中々難しいと言っていました。
質問2. 所得内通算(損益通算)したら利益は20万円以下だけど、所得内通算しなかったら利益は20万円を超える。こんな時、確定申告はする必要ある??しなかったら脱税とか言われない??
サラリーマンの場合であればこのパターンだと確定申告は不要との見解でした。ただし、損益の計算方法はいろいろ考えられるので、皆さんが算出した額と税務署で算出した額が異なる可能性があり、場合によっては税務署から問い合わせが行くとのことでした。
その場合は、自分の計算方法とその算出損益額がちゃんと提示できれば問題ないそうです。というわけで、そういう人は計算した結果を印刷して保存しておきましょうね。
ただしこの見解については税務署によって異なるかもしれないので、ご自分の居住地の税務署に問い合わせてみるのが確実ですね。
質問3. 仮想通貨間の売買 (仮想通貨と仮想通貨の交換) 時の損益計算は、具体的にどう計算したらいいの? 取引時の日本円のレートなんかメモってないから分からないんですけど...。
取引した瞬間の日本円建てのレートが不明の場合(というか普通不明ですよね) は、その日の終値などを使って簡易的に計算していいそうです。「など」というのは別に終値でなく、別の何か客観的に合理性のある指標でも大丈夫という意味です (例えば『その日の始値と終値の平均値』など)。
ただし、「今年の確定申告では終値を使って計算したけど、翌年の確定申告では始値を使って計算しました」みたいな一貫性のない計算は認められないとのことでした。
なお、取引所によって仮想通貨の価格は微妙に異なりますよね? 今後、一貫性さえ示してもらえればどこの取引所の価格を使ってもいいそうです。
ちなみに円建ての終値はCoinGeckoやcoincheckなどなどで公開されています。
質問4. 円建てで購入できない(日本円でのレートが分からない)仮想通貨の損益計算はどうやればいい??
客観的に見て合理性のある計算方法で、かつ今後も一貫して同じ計算方法が取れるのであればどうやって計算してもいいそうです。ただしこの見解は税務署によって異なるかも。
海外取引所で扱われている仮想通貨はほとんどが米ドル建てかBTC建てのレートしか分かりませんので計算方法に悩みますよね。結論からいうと無理やり計算して出してくれということです。
具体的には税務署の提示する条件を満たす計算方法は以下が挙げられるでしょう。
- 計算したい仮想通貨の米ドル建てのレートを調べる→取引した日のドル円の為替を調べる→米ドル建てのレートとドル円の為替から、円建てのレートを算出する
- CoinGeckoのような日本円建てで価格を出してくれるサイトの値を用いる
- 『日本円→仮想通貨A→仮想通貨B』という流れの売買の場合、仮想通貨Aの円建てのレートから仮想通貨Bの円建てのレートを算出する。
3つ目の計算方法は文字だとよく分かりませんね。例を挙げましょう。
0.1ビットコイン (売買日の終値170万円/1BTC) を売ってADA (売買日の終値不明) を1700枚購入した場合、17万円の価値のあるビットコインを使って1700枚のADAを購入したことになりますよね。その場合、ADA1枚あたりの価値は
17万円/1700ADA=100円/1ADA
となります。このように間接的に円建てのレートを算出する方法です。
質問5. 総平均法を用いた仮想通貨の損益計算はどうやるの??国税庁のPDFファイルを読んでもよく分からないんだけど...。
「1年間で売却した仮想通貨Aの総額 (円)」-「1年間に取得した仮想通貨Aの取得価額の総額」÷「1年間に取得した仮想通貨Aの枚数」×「売却した仮想通貨Aの枚数」
で算出します。なお複数種類の仮想通貨を売買している場合は仮想通貨の種類ごとに行い、その値を全て足し合わせる必要があります。仮想通貨Aは仮想通貨Aだけで計算して、仮想通貨Bは仮想通貨Bだけで計算して、両方の損益額を足し合わせるという形です。
疑問は解決できましたでしょうか
以上、私が確定申告にあたって疑問だった内容です。やはり税務署の職員さんはその道のプロですね。もっと早く聞きにいけばよかったです。
社会人として脱税は避けたいところです。正しい計算方法で正しい納税額を算出しましょう!!みなさまの地獄の確定申告作業の助けとなれば幸いです。
また仮想通貨民の助けとなれるよう、確定申告の記入方法についても記事にしました。確定申告になれていない方はご覧ください。
それでは!!
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