私は大学院でオリンパスとニコンの光学顕微鏡を使った研究をしていましたので、その流れで大学時代からカメラが好きでした。構造的に似ているのでとても面白かったのです。
ニコンの顕微鏡は最高です。というわけでニコンが大好きです。
— げがんげん@はてなブログ (@77Gegangen) 2018年3月4日
そこからカメラの時代の流れを見て来ました。2年くらい前でしょうか。ソニーのα7IIシリーズが発売されて、一気にミラーレスカメラの時代が到来しました。ミラーレスカメラの性能が一眼レフカメラにおおよそ追いついたのです。
断言しましょう。一眼レフによほどの明確なこだわりが無い限り、これから新規で一眼レフカメラを購入するのはやめたほうがいいです。今後はミラーレスカメラがレンズ交換式カメラの市場を席巻して、一眼レフカメラは衰退していくはずです。
「見た目がカッコいい!」「シャッター音がカッコいい!」「よく分からんけど一眼レフカメラが一番高画質&背景ボケさせて撮影できるんでしょ?(注:間違いです)」こういう理由で一眼レフカメラに手を出すと後々後悔するということです。
インスタやってるようなカメラ女子ってCanonの5D好きだけど、ソニーのα7シリーズの方がよっぽどユーザーフレンドリーだと思う。軽いし。カメラ女子の5Dの牙城を崩せれば一気にソニー一強の時代が来そう。
— げがんげん@はてなブログ (@77Gegangen) 2018年2月27日
「いや、でもミラーレスカメラの時代になったらその時にミラーレスカメラ買うよ」
そういう意見もあるでしょう。しかし一眼レフとミラーレスの互換性の無さを考慮すると、今から一眼レフカメラ用のレンズを購入するのはお金の無駄です。レンズ交換式カメラはレンズという『資産』を無駄なく利用することでお金の節約になりますから、その時その時でカメラに合ったレンズをその都度購入するのはあまりにも非効率なのです。
ということで今回は、レンズ交換式カメラの中で、一眼レフカメラがおすすめできない理由、逆にミラーレスカメラをおすすめする理由を紹介したいと思います。
ちなみに私はニコンの一眼レフカメラD7000とソニーのミラーレスカメラα7RIIを使用しています (というかニコンの一眼レフカメラを捨ててソニーのミラーレスカメラに移行した) ので、公平性には努めますがニコン&ソニーユーザーの意見として読んでいただきたいと思います。
また私は動画機能については門外漢なので、あくまで写真撮影についてのレビューになりますことをご了承ください。
- 【実写サンプル】ミラーレスカメラでここまで撮影できる!
- 今までの一眼レフカメラとミラーレスカメラの比較
- 2018年現在のレンズ交換式カメラの比較
- でもそれってハイエンドモデルの話でしょ?
- 結局初心者はミラーレスに手を出すべきなのか
- 最後に
【実写サンプル】ミラーレスカメラでここまで撮影できる!
まずは私がミラーレスカメラで撮影したサンプルを数枚見てもらいましょう。ミラーレスカメラでここまで撮影出来るんだというのを知ってもらいたいです。
2013年発売のSONY NEX-5T (ローエンドモデル) と2015年発売のSONYα7 RII (ハイエンドモデル) で撮影した写真でした。数年前のミラーレスカメラでも画質は一眼レフカメラに全く負けていません。
今までの一眼レフカメラとミラーレスカメラの比較
2017年頃から一眼レフカメラよりも高性能なミラーレスカメラが登場していますが、2~3年前までは機能的に一眼レフカメラが優勢でした。一般的に以下のようなメリット・デメリットを持っていたのです。
2016年以前のレンズ交換式カメラの特徴
ミラーレスカメラ | 一眼レフカメラ | |
画質・ボケ味 | 悪い~同等 | 同等 |
オートフォーカス速度 | 遅い | 早い |
連射 | 遅い傾向 | 早い傾向 |
サイレントシャッターモード | ほぼ無音~完全無音 | うるさい |
カメラ重量 | 軽い | そこそこ重い~超重い |
カメラサイズ | 小型 | 大型 |
電池持ち | 悪い | 超良い |
操作感 | モッサリ | サクサク |
機種によるので少し幅を持たせて書いてみました。要は「今までのミラーレスカメラは一眼レフカメラと同じクオリティの画質で写真を撮れるけど、実用性に欠ける部分がいくつかあった」のです。私が個人的に特に問題だと思っていたのが、AF速度の遅さと電池持ちの悪さの2点でした。
でもそれはもう昔のハナシです。
(補足)
勘違いしている初心者さんも多いと思うのですが、グレードが同等であればミラーレスカメラと一眼レフカメラの画質は理論上全く同等です。ただし「センサーサイズが同じであれば」という但し書きが付きます。
画質は、光を受け取るセンサーの面積の大きさに比例します。一眼レフカメラはほとんど「APS-C」(初中級モデル向け。やや大きい) か「フルサイズ」(中上級モデル向け。大きい) といわれる大きなセンサーサイズを持っています。一方ミラーレスカメラはメーカーや機種によって「1/1.7型」(超小さい)、「マイクロフォーサーズ」(そこそこ小さい)、「APS-C」(やや大きい)、「フルサイズ」(大きい) などの様々なセンサーサイズが乱立しています。そのため例えば「APS-C」のミラーレスカメラと「APS-C」の一眼レフカメラで比較すると同等画質ですが、「マイクロフォーサーズ」のミラーレスカメラと「フルサイズ」の一眼レフカメラを比較すると、よりセンサーサイズの大きい「フルサイズ」の一眼レフカメラの方が高画質となります。
※ちなみに「画素数」は画質にほぼ無関係なので注意です。
2018年現在のレンズ交換式カメラの比較
ミラーレスカメラの開発は主にソニー、オリンパス、パナソニックと、10歩くらい遅れてキヤノンが力を入れています。ちなみに一眼レフカメラは主にキヤノン、ニコン、リコー (ペンタックス) などなどですね。
さて、ミラーレスカメラのシェア1位はオリンパスなのですが、ここ2~3年ほどシェア3位のソニーの猛攻が止まりません。ここ数年、ソニーの技術力が高すぎて全ての他社が技術的に大きく置いていかれている状態が続いています。ソニーのハイエンドモデルのミラーレスカメラは、キヤノンやニコンのハイエンド一眼レフカメラよりも高性能、高画質を実現しています。昨年くらいから多数のプロフォトグラファーがソニーのミラーレスカメラに移行しているくらいです。 プロカメラマンでさえキヤノン、ニコンの一眼レフカメラに見切りをつけ始めているレベルなのです。
ということで主にソニー(と若干オリンパス)のおかげで、現在のレンズ交換式カメラの特徴はこのように変わりました。
ミラーレスカメラ | 一眼レフカメラ | |
画質 | 悪い~超良い | 良い |
AF速度 | 遅い~早い | 早い |
AF可能範囲 | 狭い~広い | 狭い |
AF追従性 | 悪い~超良い | 悪い~良い |
連射 | 遅い~早い | 遅い~早い |
サイレントシャッターモード | ほぼ無音~完全無音 |
うるさい |
カメラ重量 | 軽い | 重い |
カメラサイズ | 小型 | 大型 |
電池持ち | 悪い~良い | 超良い |
操作感 | モッサリ~サクサク | サクサク |
堅牢度 | 弱い印象、やや不安 | 超強い印象 |
製品によって性能が大きく違うので、一概に「こう!」とは言えないのですが、同じ金額を出せば一眼レフカメラよりも高性能なミラーレスカメラを購入できる時代がやってきたということです。
特にここ数年はミラーレスカメラのAFの進化が凄まじいです。ソニーを筆頭にオリンパスやパナソニックもかなり頑張っていますね。特にソニーの瞳AFは圧巻です。
これ、顔じゃなくて目を追尾してオートフォーカスし続けているんですよ (ポートレート撮影は目かまつげにピントを合わせると綺麗に写ることが多いのです)。実用レベルになったどころか一眼レフカメラを明らかに超えています。しかもこの動画、ちゃんとシャッターを押して連続撮影中の映像です。気づかないでしょ? 連続撮影中に視界が黒く途切れないのはミラーレスカメラならではです。構造上、一眼レフカメラは撮影の瞬間、絶対に視界がブラックアウトします。
またミラーレスカメラのオートフォーカス性能の進化の流れが良く分かる動画を紹介します。ソニーの歴代ハイエンドモデルミラーレスカメラの比較です。2017年発売α9→2015年発売α7RII→2013年発売α7の順でオートフォーカスの滑らかさを比較紹介しています。
「ミラーレスカメラはAF性能で一眼レフカメラに絶対に勝てない」と言われていた時代がありました。だからこそ一眼レフカメラの雄であるキヤノンやニコンはミラーレスカメラに投資せずに一眼レフカメラに投資していたのです。
しかし現実はそうではありませんでした。SONYのα9やOLYMPUSのOM-D E-M1 Mark IIはもはや一眼レフカメラのハイエンドモデルと同等かそれ以上のAF性能を持っています。
SONYユーザーである私がSONY製品だけ紹介していると公平性に欠けるのでOLYMPUSのOM-D E-M1 Mark IIのAF動画も紹介しておきます。
こちらも問題なく実用レベルです。
繰り返しますが、従来のミラーレスカメラの主な欠点は「電池持ちの悪さ」と「AF性能の悪さ」でした。ミラーレスカメラは電力消費の大きい液晶画面等を多用しまくりますので、現在でも相変わらず電池持ちは良くありませんが、それは電池を2~3個持っておけば解決する問題です。つまり2018年現在は、電池を複数持ち歩きさえすればミラーレスカメラで一眼レフカメラを超えるパフォーマンスを発揮することができるということなのです。
でもそれってハイエンドモデルの話でしょ?
といいつつ、それってハイエンドモデルの話なんですよね。「一眼レフカメラを完全に凌駕している」と私が思っているミラーレスカメラはソニーの2017~2018年に発売されたα7IIIシリーズ、α9シリーズだけなのですが、ベーシックモデルのα7Ⅲでさえ20万円オーバーです。アマチュアがおいそれと購入できる価格ではありませんよね。
現在、アマチュア向けのローエンドモデルがどうなっているかというと、「一眼レフカメラに追いつくために頑張っている最中」というところですね。ただしようやくAF性能が実用レベルになってきました。激しく動くスポーツ撮影は難しい可能性がありますが、気軽なスナップショットは全く問題なく綺麗に撮れます。ただし最近の一眼レフカメラは安価なモデルでも結構いいAF性能を出してきますのでローエンドモデルについてはミラーレスカメラが優位というわけではないです。
ローエンド~ミドルエンドモデルのミラーレスカメラの参考動画です。
オリンパス OM-D E-M10 Mark III
キヤノンのミラーレスカメラM5とソニーのミラーレスカメラα6500の動体追尾の比較動画です。
こんな感じです。ハイエンドモデルの動画を紹介した後だと素人目に見ても霞んじゃいますが全然実用レベルです。
結局初心者はミラーレスに手を出すべきなのか
ということで改めてまとめます。
ローエンドモデルはミラーレスカメラよりも一眼レフカメラがまだ若干優性です。ミラーレスカメラが一眼レフカメラを凌駕するのには後数年かかる印象です。
一方、ハイエンドモデルはもうすでにミラーレスカメラが一眼レフカメラを凌駕しています。ミラーレスカメラ推進派のソニーの技術力に一眼レフカメラ推進派のキヤノン、ニコンが周回遅れにされています。
また
- ローエンドモデルのミラーレスカメラは一眼レフカメラにまだ少し劣る部分があるとはいえ十分実用レベルになってきた
- 今後一眼レフカメラが衰退していくのはどう見ても明らか。これから一眼レフカメラ用のレンズ、小物などなどの供給が無くなってくる可能性が高い (最近キヤノンもようやくミラーレスカメラに力を入れ始めました。)
- ミラーレスカメラ用のレンズがようやく充実してきた。
この3点にも注目です。これら考えると、以下のようになります。
一眼レフカメラを購入すると幸せになれる人の条件
- 今後ミラーレスカメラに移行しないと断言できる
- カメラを購入したら、その後レンズを追加で購入する予定はない
- 極寒の地 (冬山など) 、衝撃や水がかかるような過酷な環境での使用予定がある
- 撮影途中での電池交換は嫌だ
- 動体撮影がメインだけどカメラに数十万円も出せない
- 一眼レフカメラそのものに強い憧れがある
- 手が大きいのでミラーレスカメラだと小さすぎる
ミラーレスカメラを購入すべき人
- 上記以外の人
今回ミラーレスカメラを購入しておくと、その資産を次のミラーレスカメラに流用できるのが大きなメリットです。次のミラーレスカメラを購入する時はミラーレスカメラ一強の時代が来ています。
最後に
ということでミラーレスカメラを全力でオススメしてみました。ミラーレスカメラをおすすめできる時代が来るとはびっくりです。
今回の記事では触れませんでしたが、ミラーレスカメラは軽いのもメリットです。一眼レフカメラを使わなくなる原因第1位は「重い」なのです。ソニーのハイエンドモデルのフルサイズミラーレスカメラは最高画質最高機能を実現するためにボディーもレンズもやや重いのが欠点ですが、オリンパスやパナソニックのマイクロフォーサーズミラーレスカメラはある程度画質を捨てることで、軽量化を実現した良いカメラとなっています。一度店頭で持ち上げてみることをお勧めします。
ミラーレスカメラは電池持ちの悪さと、堅牢性の低さの2点が主な不安材料ですが、画質もAF性能も連射性能も文句なしのレベルまで来ましたので、一度購入を検討してみてください。
私はもう二度と一眼レフカメラを購入するつもりはないです。バイバイ、NIKON...。
各ブースまわった感想
— げがんげん@はてなブログ (@77Gegangen) 2018年3月4日
1. SonyのAF周りのサクサク感がぶっちぎり
2. 他のカメラメーカー完全にソニーに技術的に置いていかれてる
3. スマホの動画撮影用のスタビライザーのヌルヌル感に感動
4. 美人なお姉さんの撮影の楽しさに目覚める#CP+