先日、結婚したての会社の同期から長期の株式投資を始めたいと言う相談を受けました。どこの証券会社を選べばいいのかというところからじっくり説明してきましたので、今回はその時話した「投資したい内容に合わせた証券会社、証券口座の選び方」をご紹介したいと思います。
なおその辺のアフィリエイトブログと異なり、弊ブログは金銭授受が発生する案件を取り扱わないことをモットーとしておりますので公平な内容となっていることをお約束いたします。
- 【鉄則】対面型の証券会社は選ばない
- つみたてNISAを始めたい場合
- それ以外の投資信託を購入したい場合
- NISAを始めたい場合
- 日本株取引を始めたい場合
- 海外株取引を始めたい場合
- iDeCo(個人型確定拠出年金)を始めたい場合
- おわり
【鉄則】対面型の証券会社は選ばない
まずこれだけは強調させてください。私たちのような富裕層でない若者の場合、対面型の証券会社、銀行、郵便局を選んではいけません。これらは本当に手数料が異常に高いです。さらに「営業さんに相談出来るから安心」かと思いきや、証券会社だけが儲かる粗悪な商品を勧めてくる事例が本当に多いです。
数千万円以上の取引をされているようでしたらIPO (「比較的簡単に儲かる取引」と思っていただければ結構です) の割当を優遇してもらえるなどのメリットがあるようですが、普通の人には無縁の世界です。
繰り返しますが、わざわざ郵便局、銀行、対面式の証券会社を選んではいけません。インターネット全盛の時代ですから無難に大手インターネット証券会社の証券口座を開設しましょう。
さて、そうするとどのインターネット証券会社を選べば良いのでしょうか。おすすめなのは「シェアの高い証券会社を選ぶ」です。財政的にも安定でしょうし、支持される理由(手数料が安い、使いやすいなど)があるからです。
そうすると無難なのはSBI証券と楽天証券、次いでマネックス証券です。これらは個人相手のネット証券会社としてシェア1位、2位、3位の証券会社です。初心者でしたら最初位は無難な証券会社から始めてみましょう。
つみたてNISAを始めたい場合
私の会社は企業型確定拠出年金制度があるためにiDeCo (個人型確定拠出年金) が禁止されています。そのため私の同期はまずつみたてNISAを行いたいということでした。
この時に最もお勧めできる証券会社はズバリ楽天証券です。楽天証券は、月5万円までという制約はありつつも投資信託を楽天のクレジットカードで購入できることから、毎月購入額の1%分の楽天ポイントをもらうことができます。つみたてNISAは毎月最大33,333円の投資信託を購入することができますので毎月最大333ポイントの楽天ポイントを入手することができます。
この貯めたポイントは翌月のつみたてNISAの購入に充てることができますので、楽天ポイントの使い道が無いという方は、約1%値引きでつみたてNISAを積み立てていくことができます。もちろんそれ以外にも楽天市場の買い物に利用したりマクドナルドやくら寿司といった提携しているお店で支払いに充てることが可能です。
このポイント還元制度は楽天経済圏ならではの仕組みですので、投資信託に関しては他の証券会社より圧倒的に優位に立っている状況です (2020年1月時点) 。
それ以外の投資信託を購入したい場合
つみたてNISAは毎月33,333円(年40万円)の投資枠しかありませんから、経済状況によってはその枠を超えて投資信託を購入したい場合があります。その際に最優先となる証券会社はやはり楽天証券です。上述の通りクレジットカードで毎月50,000円まで投資信託を購入できますので、つみたてNISA以外にまだ16,667円程度のクレジットカード購入枠が残っています。この枠を積極的に埋めにいって1%ポイントを獲得していきましょう。
ちなみにこの16,667円の枠を超えてさらに投資信託を購入したい場合は、SBI証券での購入がオススメです。SBI証券は保有する投資信託の額の0.00083~0.0083%のTポイントを毎月もらうことができます(要設定)。また他社と異なり、投資信託を毎日自動購入する設定が可能ですので、日々の細かな値動きをしっかりキャッチすることができます。
とはいえ管理する証券口座を増やしたくないというのであれば楽天証券だけで運用しても大丈夫です。小さなお得のために無理に口座を増やしてもストレスになりますので心安らかに運用したいものです。
ちなみに投資信託する気が無い人も、投資信託を楽天クレジットカードで毎月5万円購入することを検討してみても良いかもしれません。即座に売却することで毎月500ポイント獲得出来ます(※購入してから売却するまでに値動きがありますので当然ノーリスクではありません)。
NISAを始めたい場合
つみたてNISAではなく一般NISAを始めたい場合は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券のいずれであっても問題ありません。いずれもNISAは売買手数料無料ですので大きな差別化ポイントはありません。
「楽天が好き(嫌い)」「シェア1位の会社を使いたい(使いたくない)」「操作しやすそうなデザインの会社を選びたい」などの理由で選んでOKです。
ちなみにSBI証券はサービスが豊富過ぎるがゆえに、ホームページのデザインがゴチャゴチャしていて慣れるまで正直使いにくいです。使いやすさでいうと楽天証券が初心者向けではないかと感じます。
日本株取引を始めたい場合
そもそも私はホームカントリーバイアス(出身国に偏った投資をする)は良くないと思っていますし、少子高齢化の日本に未来は無いと思っています。そのため国内株のトレードは引退していて疎いのですが、簡単にご紹介だけしておきます。ズバリ、SBI証券です(2020年1月現在)。
NISA枠以外で日本株を売買するときは手数料が必要です。この手数料の安さで証券会社を選びましょう。そうするとSBI証券が最安です。
海外株取引を始めたい場合
海外株の購入はここ数年で本当にハードルが下がりました。個人的には、初心者さんにはホームカントリーバイアスを捨てて世界目線で投資先を選んで頂きたいです(国内株はローリスク、海外株はハイリスクというのはぶっちゃけ幻想です)。さて、そんな海外投資ですが、手数料の安さからSBI証券を最もおすすめします。次点で、取り扱い銘柄が最も多い点からマネックス証券をおすすめします。
海外商品を購入する場合、【①日本円↔②現地通貨↔③海外投資商品】という流れで売買を行う必要があります。【②現地通貨↔③海外投資商品】の取引ではSBI証券、楽天証券、マネックス証券ともに同率の手数料です。しかし【①日本円↔②現地通貨】の手数料は3社で異なり、最も安く現地通貨を調達できるのはSBI証券 (住信SBIネット銀行) となります。
ただ注意なのですが、SBI証券で普通に現地通貨を購入してしまうと楽天証券やマネックス証券と同率の手数料が必要です。
手数料を安くするためには、
- SBI証券のグループ会社である住信SBIネット銀行で現地通貨を購入
- その現地通貨をSBI証券に送金(送金手数料は無料です)
という手順が必要となります。SBI証券のFX口座から現地通貨を購入するとさらに安くなるみたいですが、100万円単位でしか購入出来ないため上記方法が現実的な方法でしょう。
ちなみに住信SBIネット銀行は聞いたことがないかもしれませんが、国から銀行免許を取得しているまともな銀行です(当然、破綻しても上限約1000万円まで保護されるペイオフ制度対象の銀行です)。といいますかネットバンクの雄と言っても良い強豪銀行の一つですので1000万円までは安心して利用してください。
ということで住信SBIネット銀行を利用しながらSBI証券で海外株取引するのが最もオススメです。とはいえ海外株は無数に存在しますので、銘柄によってはSBI証券で取り扱っていないことがあります。そういう場合はマネックス証券あるいは楽天証券で探して購入しましょう。
(ちなみにマネックス証券は2020年1月現在、日本円から米ドルへの両替手数料を無料にしていますが、永続的なサービスではなさそうなことと、米ドルから日本円への両替は変わらず手数料が必要です。そのためやはりSBI証券での取引が無難です。)
iDeCo(個人型確定拠出年金)を始めたい場合
45歳以降に受け取る退職金が少ないと予想される方や、公的年金受給額が少ないと予想される方にとって、iDeCoは節税効果が非常に高いです。私は勤務先から許可が得られなかったのでiDeCoは実施していませんが、実施可能な方は積極的に利用したい制度です。
このiDeCoは証券会社によって取り扱っている商品が異なります。そのため証券会社の良し悪しではなくその中身を見て、証券会社を選抜しましょう。とはいえ運営管理手数料が有料の証券会社や銀行、郵便局は絶対に選んではいけません。
投資商品の選び方は、
- 何に投資したいか(日本株、外国株、日本債券、外国債券、ゴールド、リート、定期預金など)を決める
- 運用会社が違うだけの似たような商品がいくつもあるはずなのでその中から最も手数料が低いものを選ぶ
という流れでおおよそ問題ないです。ぶっちゃけますと1だけ決められれば、Google検索するだけで2の答えは簡単に得られます。
おわり
というようなことを会社の同期に説明してきました。少額からコツコツ始めるということで、まずはつみたてNISAを始めるということから、早速楽天証券と楽天クレジットカードを口座開設していました。
私は楽天証券がクレジットカード投資サービスを始める前にSBI証券でつみたてNISAを始めてしまったので、大後悔しています。楽天証券につみたてNISAを移管するという手段があるといえばあるのですが、管理が煩雑になることから動くに動けない状況になっています。
私のようなことにならないために、適切な口座選びを怠らないようにしましょうね。もちろん複数の証券会社の口座を開設しまくっても特にペナルティなどはありませんから迷って時間を浪費するくらいならとりあえず一気に口座開設しても良いです。(私も10社以上の口座を保有していますが特に問題はないです。SBI証券と楽天証券以外は全く使っていませんけれど笑)
また今回はご紹介しませんでしたが、海外証券取引するのであればサクソバンク証券(自転車ロードレース好きの方はチームサクソバンクとしてご存知では)が玄人向けの証券会社として最近話題になっています。初心者は手を出さないほうが良いですが、将来的には視野に入れてもよいかもしれませんね。
SBIでやってるつみたてNISAを楽天証券に移したいと思ったまま半年が経過
— げがんげん@はてなブログ (@77Gegangen) 2019年11月19日