理系20代の日常レポート

「こんな情報が知りたい!」と自分が思ったことを本能の赴くままに書いてみようと思います。カメラ/旅行/家電/日常/科学関連の話題が多めです。

超簡単!賃貸物件を傷つけずに防犯カメラを設置する方法

この度、賃貸アパートの自宅の駐車場で私の新車を隣の車にドアパンチされました。犯行推定時間や付着塗料などの状況証拠的にどう考えても隣の車が犯人なのですが、持ち主が犯行を頑なに認めないために泣き寝入りすることになりました。

自動車保険に付帯していた弁護士特約を使って、弁護士とも相談したのですが、映像等の客観的証拠がない場合は裁判してもほぼ負けるとのこと。(逆に、映像さえあればほぼ勝てる)

実はこの隣人は引っ越してきたばかりで、入居後わずか半月で当て逃げしてきたことから、このままだと理論上年間24回もドアパンチされる計算に...。そこで、自衛のために自宅に監視カメラを設置しましたので、今回は賃貸アパートに一切傷をつけずに監視カメラを設置する方法をご紹介したいと思います。

 

賃貸物件に監視カメラを設置する方法 

賃貸物件に防犯カメラを設置するハードルは大きく3つです。

 

  • 防犯カメラをどこにどうやって設置するか
  • 電源をどうやって確保するか
  • 賃貸借契約書に防犯カメラ設置禁止の記載が無いか

 

この3点です。契約書については今回は触れません。

 

持ち家でしたら、防犯カメラを壁にネジで打ち付けて、屋外用コンセントに接続するのがオーソドックスな方法です。もしくは監視カメラ設置を見越して最初から配線を壁面内に通せるように建築しておく方法もあるでしょう。しかし賃貸物件では、壁に穴を開けることは非現実的ですし、屋外用コンセントは無いか使用禁止なことがほとんどなはずです。

 

そのため結論を申しますと、

 

  • 結束バンドやワイヤーを使って防犯カメラを外壁のどこかに固定する
  • エアコンの配管か、窓とサッシの隙間のいずれかから電源ケーブルを室内に引き込む

 

この2点が賃貸物件での現実的な防犯カメラの設置方法となります。なお窓とサッシの間から電源ケーブルを引き込むのは、可能な機種と不可能な機種があります。記事の後半に可能な防犯カメラをご紹介しますので参考にしてみてください。

 

結束バンドやワイヤーを使って防犯カメラを外壁のどこかに固定する 

今回私は防犯カメラを自宅ベランダに設置しましたので、竿掛け (物干し竿を引っ掛けるところ) に結束バンドで固定することができました。防犯カメラにはネジ止めするための穴が複数個ありますので、そこにインシュロックやワイヤーを通せるのです。

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紫外線耐性を持つ結束バンドでないと劣化して切れますので注意が必要です。私が購入したのは「屋外33年超耐久」と謳っているこちらの結束バンドです。

ケーブル製品で有名なパンドウイット社の製品ですね。ただ、プラスチック製ですからこれでも断線が心配だという方は金属製の結束バンドや金属ワイヤーに手を出しても良いでしょう。

なお金属製結束バンドは結束力が弱い製品が多いですから商品選びには注意が必要です。結局のところ結束力の強いプラスチック製と高耐久性の金属製を組み合わせて使用するのが最も落下事故が生じにくいです。 

 

結束バンドで固定できないシチュエーションの場合は、設置の難易度がかなり上がります。結束バンドではなく、もっと長いワイヤー等を通してどこかに固定する方法、木材などにねじ止めしてその木材をどうにかして固定する方法などが考えられますが、「これ!」というオーソドックスな方法は無いと言わざるを得ません。

 

電源ケーブルを室内に引き込む -エアコンの配管から-

続いて電源の確保についてです。どうしても電源を確保できないシチュエーションでは、乾電池を内蔵できる監視カメラを使う方法が無くはないですが消費電力の問題から24時間常時録画は困難です。さらに頻繁な電池交換が必要となります。

 

そのため可能な限り電源ケーブルを用いて電力を確保したいものです。前述のとおり、屋外コンセントが使えない場合は屋内にケーブルを引き込む必要があります。家屋を痛めずにケーブルを引き込むには、エアコンの配管用の穴に通すか、窓とサッシの間にケーブルを通す 2択が現実的です。

 

私は最初、エアコンの配管用の穴にケーブルを通す予定で防犯カメラを探していましたが、

 

  • 雨漏りリスクがあること
  • 設置場所から配管用の穴まで遠かったこと
  • 配管用の穴が外から割と簡単に触れる場所にあること
  • 日曜大工が面倒くさかったこと

 

から、最終的に窓とサッシの間にケーブルを通す方法をとりました。

 

ちなみにエアコンの配管用の穴にケーブルを通すのは、エアコンが設置されていない場合は全く難しくありません。穴は様々なタイプが存在しますが、いずれも屋内外のキャップを両方外したりパテをどければ屋内と屋外が貫通します。ケーブルを通した後は、エアコン配管用パテでケーブル回りの隙間をきちんと埋めればOKです。

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パカッ

 

ただすでにエアコンが設置済みだと、難易度が上がります。穴が露出している場合はパテを除去して隙間を開ける必要があります。穴がエアコンで完全に覆われてしまっている場合はエアコンを一度取り外さなければなりませんから、素人はあきらめた方が無難でしょう。

  

電源ケーブルを室内に引き込む -窓とサッシの間から-

続いて窓とサッシの間から配線を通す方法についてです。特殊な方法をとるわけでもなければ、窓を施錠できないということも全くありませんから、こちらの方が私のおすすめです。

 

方法は簡単です。窓とサッシの間を通す専用の細い配線を使用するのです。自作するのではなく既製品を使用しますので非常に低難易度です。ただしこの方法は、専用のスキマ用ケーブルが販売されていることが必須となります。

 

  • 日本のメーカー
  • 夜間・暗所撮影可能 (最低10m以上赤外線照射でき、赤外線撮影可能)
  • 屋外対応 (防塵・防水)
  • 24時間常時録画機能がある
  • 大容量の外付けハードディスクに録画できる
  • カメラ本体ではなくレコーダーに録画できる (カメラが盗難されてもデータを残せるのと小容量のSDカードでなく大容量のハードディスクに記録したかったため)
  • 適度に安い

 

私は上記の条件でカメラを探したのですが、そうすると意外なことに2機種しか選択肢がなく、さらにスキマ用ケーブルが対応していたのはたった1機種でした。

 

それがELPA (朝日電器) のCMS-7110です。聞いたことがないメーカーかもしれませんが、ワットチェッカーや電気配線関係など大手電機メーカーが手を出さなさそうな機器を色々作っている割と有名なメーカーです。

CMS-7110には、別売りですがメーカー純正のスキマケーブルが存在しています。

朝日電器 カメラケーブル マルチカラー ケーブル長:約0.5m
 

本製品のパッケージに「当社ワイヤレスカメラ (CMS-C70/CMS-C71) 専用です」と書かれていますが、 CMS-7110のカメラ単品の製品コードがCMS-C71ですので安心してください。

 

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こんな感じの細いケーブルです。この細さでしたら窓とサッシの間から断線させることなく出すことができます。

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このようにカメラの電源ケーブルに接続します。

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この接続部は防水ではありませんから、故障や火災防止のために必ず防水加工を行いましょう。メーカー推奨の防水加工法は自己融着テープ (ブチルゴムテープ) を巻くことです。決して普通のビニールテープでやってはいけませんのでご注意ください。ここをケチってビニールテープでやってしまうと火災の原因になります!

 

さて、ブチルゴムテープを引っ張って伸ばしながら、写真のように超念入りにぐるぐる巻きにしてください。接続部の前後も一緒にぐるぐる巻きにしておきましょう。

 

ちなみに上の写真で私が使用したのはNITTOのブチルゴムテープです。

 

後は窓とサッシの間に通して窓をそっと閉めましょう。このときケーブルをねじらないように注意してください。

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屋外側の様子
 

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屋内側の様子

 

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ケーブルが細いので当然施錠できます。また虫が入ってこれるような隙間もありません。

 

屋外のケーブルを保護しましょう

さて、一応はこれにて設置完了です。ただしケーブル部分が紫外線で劣化することが予想されますから、ケーブルに紫外線が当たらないようにコルゲートチューブで保護しましょう。

 

私が購入したのはこちらのコルゲートチューブです。この商品がおすすめというわけではなく別になんでもいいです。

 

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こんな感じにチューブ全体に切れ込みが入っています。この切れ込みからケーブルを中に入れてしまいましょう。
 

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こんな感じに屋外部分のケーブルを紫外線から保護できました。 ちなみに上の写真で壁面に固定しているのは、こちらの結束バンド固定具を用いています。粘着テープでくっつけていますので外壁は傷つけていませんよ。

なお屋外のケーブルの固定は、ケーブルを滴った雨水がケーブル伝いに室内に入ってこないようにS字に曲げながら行いましょう。

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こんな感じです。下から上に向けて窓とサッシの間を通してありますので雨水が入ってこないはずです。

 

ELPAのCMS-7110のご紹介

さて、私が購入したCMS-7110について少し触れておきます。

 

こちらのカメラは付属のモニターに映像を無線で飛ばし続けることができます。そのため屋外設置のカメラが盗難等にあってもモニター側に映像を残すことが可能です。

 

なおモニター自体に記憶媒体は全くなく、SDカードや外付けハードディスクを接続することで録画が可能となります。1TBの外付けハードディスクでしたら最高画質でも1か月半録画し続けることが可能です (購入時は最高画質設定になっていないのでご注意を!)。

 

最大のデメリットはカメラの解像度が低いことです。640×480ピクセル (約31万画素) しかなく、一昔前の時代の映像画質という感じです。

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赤いモジャモジャはプライバシーの観点から私が手で塗りつぶしただけですので誤解されないように^^;

 

この写真は、CMS-7110のモニター映像を私のiPhoneで撮影した画像ですので、実際は変な映り込み等のないもっと綺麗な画質ですが、おおよその雰囲気は掴んでもらえるのではと思います。思ったより割と普通な画質ではあります。

 

私のように隣の車のドアパンチを監視するような目的でしたら問題ない画質ですが、ナンバープレートは大きな4文字までしか読めません。残りの「品川 111 あ」のような小さな文字の部分は頑張っても読めないですね。

 

なお30 fps (1秒間に30コマ撮影) ありますので、映像がカクカクすることはありません。

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カタログスペック上は1TBの外付けハードディスクまでしか認識しないことになっていますが、2TBのハードディスクも認識しました。ただし、私のHDDがたまたま認識されただけの可能性もありますから過信はしないでください。あくまで自己責任でお願いします。

その他のおすすめ監視カメラ 「マスプロ電工のWHC7M2」

実はELPAの防犯カメラを購入する直前までは、MASPROのWHC7M2を購入するつもりでした。

 

1920×1080ピクセルのフルハイビジョン画質で撮影できるとのことでELPAのCMS-7110よりも高画質が期待できたからです。ちなみにデメリットは、画質を上げた分フレームレートがかなり落ちているとの口コミが多数あること、500GBまでの外付けハードディスクしか認識しないことです。

 

フレームレートが落ちているということは、特に夜間で映像がかなりカクカクするか映像がブレブレになるということです。メーカーはフレームレートについての情報を非開示にしていて、若干悪意を感じます...。

 

マスプロのWHC7M2を購入しなかった決定的な理由は窓とサッシの間を通すスキマ用ケーブルが販売していなかったことです。もともとこのカメラを購入してエアコンの配管穴から室内に引き込もうとしていましたが、可能なら窓とサッシの間を通したいと思っていましたので購入直前でELPAのCMS-7110に心変わりしました。

 

両方とも防犯カメラの売上の上位を争っている機種ですから、スペック上はどちらもおすすめです。ぜひご検討ください。

 

最後に

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今回購入した製品たち。合計3万円程度の出費となりました。

 

お隣さんへの怒りを込めつつ、賃貸物件に防犯カメラを設置する方法をご紹介しました。賃貸だから無理かなと思っていたのですが、やってみると意外に簡単でした。同じような境遇の方はぜひ諦めずに今回の記事を参考にトライしてもらえれば嬉しいです。