星景写真はセンサーの高感度性能とレンズの性能がモノを言う世界。そんな星景撮影の分野で伝説の銘玉レンズの一つとして知られるのがNikon AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDです。大三元の広角側を担当するこちらのレンズは広い星空を撮影するのに最適なのですが、前玉が出っ張っているために普通の方法では星灯りをにじませる効果のあるソフトフィルターを取り付けることが出来ません。
かなり限定された人にしかニーズはありませんが、そんなニコン AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDに裏技的にソフトフィルターを付けてみましたのでご紹介します。ネットで探してもこの装着方法を用いている人は皆無でしたので、非常に革新的な方法です。ただしかなり人を選びますがね...ふふふ...。
マウントアダプターをかませてソフトフィルターを取り付ける
ネットでソフトフィルターの装着方法を探してみた限り、以下の方法が見つかりました。
- 専用機器で前玉にソフトフィルターを取り付ける
- 前玉にソフトフィルターをかざす
- 後玉の部分にソフトフィルターを貼り付ける。
1の方法は機材が非常に巨大になることから却下。2は「Cokin 角型レンズフィルター X840」を用いて一度やったことがあるのですが、星以外にわずかな光源がある場合、その光がいとも簡単にゴーストとなって映り込んでしまうことから断念。3は一番現実的な方法ではありますが、14mm側にした際に後玉とソフトフィルターが接触することや後玉の取り扱いを注意しなければ傷がつきそう、との理由からためらっていました。
そこでふと閃きました。「ニコンじゃないカメラにマウントアダプター経由でAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDを取り付ける。そのマウントアダプター部分にソフトフィルターをはさめばいいのでは??」と。
というわけでやってみました。結果としては非常に安全簡単にソフトフィルターを取り付けられました。
用意したのはこちら
- カメラ:SONY α7RII (高画素にも関わらず高感度性能の良さから、最強の星空撮影用カメラの一つとして認知され始めているカメラ。もともと私のメインカメラでした)
- ソフトフィルター:LEE 角型ポリエステルレンズフィルター SP-32 ソフト No.3 100mm×100mm (No.1からNo.3までなら好みで選んでOK!)
- マウントアダプター:Commlite Lens Mount Adapter from Nikon F Lens to Sony E-Mount CM-ENF-E(1) (最低限のAF機能を利用できることからこちらを購入。星景撮影の利用ならAF不要なはずなので、もっと安いマウントアダプターでもOK!)
- はさみ
以上です。α7RIIにマウントアダプター経由でAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDを装着するとこんな感じになります。
また今回利用したマウントアダプターであるCommlite CM-ENF-E1はこんな形をしています。
さて、この赤い部分にご注目。電子接点もなく、レンズに一切触れない空間になっています。
ここにハサミで成形したLEE 角型ポリエステルレンズフィルターを以下の写真のように乗せます。
ここの隙間の空間に置いておくだけですので、成形はかなりざっくりで構いません。
この状態でレンズを装着すれば完成!簡単安全です!
この方法のメリットは後玉がまず傷つかないことと、フィルターの着脱が非常に容易であることです。別に両面テープ等でくっつけているわけではないのでレンズ交換するような気軽さでフィルターの取り外しが可能です!
LEE 角型ポリエステルレンズフィルター SP-32 ソフト No.3 は、100mm×100mmでしたら1/4程度しか使用しませんので、失敗しても大丈夫です。
正直需要はほとんど無いと思いますが、ニコン AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDにソフトフィルターを使用したい場合はご検討ください。最近のカメラのイメージセンサーの性能はSONYがぶっちぎりで一番ですし、一石二鳥の方法ですよ!
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このソフトフィルター装着方法は最近実施したので下記記事ではソフトフィルター未使用だったのですが、本レンズを用いた星景写真をいくつか掲載しています。