近いうちに子どもを持ちたいと考えていることから、まだ子無し28歳夫婦ですが保険に加入することにしました。妊娠が発覚してから保険加入すると婦人科系の疾病の補償が厳しく制限されることから、妊娠前から保険に加入して、出産関係のトラブルにも対応できるようにしておこうという作戦です。
なお今回の保険の唯一最大の目的は「家計破綻を防ぐ」ことです。
そのため
- 加入する保険は就業不能保険と収入保障保険と先進医療保険に限定
- 医療保険やがん保険、貯蓄型保険は一切不要
という戦略で保険を検討することにしました。医療保険やがん保険は家計破綻を防ぐ目的の保険ではないと判断したからです。これらは「家計をマイナスにしないための保険」と私は結論付けました。保険の意味について考えた以下の記事に詳細を記載しています。
で、調べてみたところ各社の就業不能保険の特徴や差別化ポイントが非常に分かりにくかったので、今回はその中でも私たちが加入してもいいかな~と思えたおすすめの就業不能保険を紹介したいと思います。2017年11月現在の情報ですのでご了承くださいね。
そもそも就業不能保険とは??
就業不能保険は「生き続けるリスク」に対する保険のことです。「病気やけがで長期間あるいは一生働けない状態になった、でも生きている」そういう場合に、設定しておいた年齢(50~70歳くらいが普通)まで毎月数万円~数十万円が支給され続ける保険です。
医療保険との違い
- 入院だけでなく自宅療養でも支給される点
- 支給される日数が超長期的である点
- 短期入院だと保険金が一切支給されない点
が医療保険と異なります。 医療保険は入院していなければ支給されないのと、数十日程度以上の長期入院には支給されません。医療保険って先進医療特約を除けば本当にお金の無駄です。
介護保険との違い
- 要介護状態以外の状態 (例:心臓にペースメーカーを埋め込んだ) でも支給される点 (ただし商品によって保障範囲が全然違うので注意)
- 設定しておいた年齢になると支給がストップされる点
が介護保険と異なります。介護保険は死ぬまで支給されますので、名前の通り介護だけに特化した保険です。
私たちは子どもが大学院まで行って一人立ちさえしてくれれば年金支給がストップしてもなんとかなると判断しましたので、今回は介護保険ではなく、保障範囲の広い就業不能保険に加入することにしました。
アフラック「給与サポート保険」
まず他社よりも優れていると感じた就業不能保険の一つがアフラックの「給与サポート保険」です。
就業不能保険は保険料よりも、「何がどうなったら『就業不能状態』と認定してくれるのか」という保障範囲と基準が最も重要です。
アフラック「給与サポート保険」はその点が他社よりもかなりはっきりしていました。
- 入院、自宅療養問わず、医師の管理下において治療に専念している
- 障害年金の障害等級1級または2級に認定されている状態
- ただし精神疾患は支給対象外
この3点です。なおこの条件を満たし続ける限りは復職しても支給が継続されるそうですので厳密には「就業不能」保険ではありません。
デメリットは精神疾患が支給対象外である点ですね。就業不能状態になる原因の1位はぶっちぎりでうつ病などの精神疾患と言われていますので、そこは承知しておかなくてはいけません。
ちなみに28歳男性、60歳まで毎月17万円年金支給の条件で3466円でした。
(2018.8追記) 2018年に入って保険料の見直しが各社行われていますので、3466円よりも安くなっている可能性があります。また妊娠関係のトラブルについては保証対象外です。女性の方はご注意ください。
ソニー生命「生活保障特則14付家族収入保険」
ソニー生命の収入保障保険に特約として就業不能保険をくっつけた「生活保障特則14付家族収入保険」も「何がどうなったら『就業不能状態』と認定してくれるのか」という基準がはっきりしていておすすめできます。
- 高度障害状態になったとき (失明、手足切断、言語機能喪失など)
- 身体障害者手帳1級、2級、3級のいずれかの交付を受けたとき
- 要介護2以上の状態になったとき
この3点が基準です。いずれかを満たせば年金が支給されます。アフラックの給与サポート保険は「障害年金1級2級」、ソニー生命は「障害者手帳1級~3級」が基準となっています。微妙に両者で違いますがおおよそ同じような状態になったら支給されると思っていいと思います。
障害者手帳は公的福祉サービスなので、障害年金よりも発行されやすいという噂もあるようですが本当のところはどうなんでしょ....??
この保険もアフラックと同じく、上記条件を満たし続ける限り復職しても支給が継続されます。
デメリットの一つは、精神疾患が事実上非対応という点です。上記の状態を満たせば「精神疾患でもOK」とソニー生命の営業さんは言っていましたが、精神疾患で上記を満たすことはまず無く、詳細を問い詰めると、しどろもどろし始めたので「精神疾患は非対応」と思って問題ないです。
精神疾患で身体障害者手帳は発行されませんからね。発行されるのは別物である「精神障害者手帳」です。
さらに最大のデメリットは生命保険である収入保障保険の特約としてしか契約できない点です。将来的に生命保険だけを解約して就業不能保険を残すということができません。もしくは生命保険はそもそも不要という方であれば「生活保障特則14付家族収入保険」はニーズと合致しないでしょう。
ちなみに28歳男性、60歳まで毎月17万円年金支給の条件で5831円でした。生命保険+就業不能保険の合計ですし保障範囲を考えるとまぁまぁ安い方かもという感想です。
(2018.8追記) 2018年に入って保険料の見直しが各社行われていますので、現在は5831円よりも安くなっています。
その他就業不能保険
上記2社のデメリットとして精神疾患非対応と述べましたが、実は精神疾患に誠実に対応してくれる就業不能保険は事実上存在しません。そのため私はこの2社の保険が事実上日本最高峰の就業不能保険だと感じているのですが、それ以外の保険についてもざっくり印象を述べてみたいと思います。
三井住友海上あいおい生命「&LIFE 新総合収入保障III型」
ソニー生命と同じく、生命保険である収入保障保険に就業不能保険がくっついた保険です。保険料はソニー生命よりも若干安いですが、保障範囲はソニー生命のほうが若干広いです。
<介護>
要介護2以上の状態と認定された時 (ケガ含む)
満65才未満で所定の生活介護状態が180日続いた時
<障害>
障害等級1級に認定された時 (ケガ含む)
約款所定の特定障害状態と認定された時
<就労不能>
特定の疾患が原因で障害等級2級に認定された時 (ケガが原因の場合は適応外)
約款所定の就労不能状態と認定された時
月々の保険料の安さをとるならこの保険、保障範囲の広さをとるならソニー生命を選べば幸せになれるでしょう。保険料がとにかく安いのでとても良い保険だと思いましたが、ケガによって障害等級2級に認定された場合に保険が下りないのが怖くて私達は候補から外しました。
ライフネット生命「働く人への保険2」
「病気やけがで、入院または在宅療養している場合に支給」と補償範囲が広いのと、保険料が安いのがメリットですが、基準が曖昧すぎて有事の際に支払い拒否されそうで不安だなというのが私の勝手な印象です。また復職すると支給ストップする点には注意です。ちなみに就業不能保険単独としては私がアフラックの次に優れているなと思った保険です。
住友生命「生活保険 1UP」
障害年金1級か2級に該当すれば精神疾患も対象範囲内なのが最大のメリットですが、就業不能中に年金が毎月支給され続けるのではなく一時金として数百万円支払われる(精神疾患の場合のみ)というのが不満点です。超長期的に精神疾患に罹患した場合に対応できません...。あと精神疾患対応のため保険料が高いです。
朝日生命「収入サポート保険 メンタル疾患特約」
精神疾患も保障範囲対象に出来る特約をプラスできますが、「60日以上の入院が必要」なのが非現実的かなと思います。鬱では60日以上の入院はよほどのことがない限り不可能です。
チューリッヒ生命「くらすプラス」
精神疾患も保障範囲内ですがやはり「60日以上の入院が必要」ですorz また年金支払いが最長10年間に限定されているため家計破綻を防ぐという私たちの目的には合致しなかったです。
さいごに
ということで、ざっと比較してみました。会社ごとに支払い基準がバラバラですので一概に保険料だけで決めるのは避けるべき、というのが私の感想です。ざっくりとした比較だったので、気になる保険は各社HPでご確認くださいね。
私達夫婦はやはりアフラックかソニー生命に加入する予定です。頭がパンクしそうなのですが、もうちょっとだけがんばりまっす!笑
(2018追記) 夫婦そろってソニー生命に加入しました。身体障害者手帳3級という明確な基準が好印象だったのと、収入保障保険との併用だとアフラックよりもコスパが良好だったためです。実は最初保険料を安くするために妻はアフラック、夫の私はソニー生命にしようと考えていたのですが、アフラックは妊娠関係のトラブルは非対応であることが判明して、やむなく妻もソニー生命に変更しました。
消費者の立場から保険についてもう少し考えてみました。以下のリンクからどうぞ。