理系20代の日常レポート

「こんな情報が知りたい!」と自分が思ったことを本能の赴くままに書いてみようと思います。カメラ/旅行/家電/日常/科学関連の話題が多めです。

理系男子がSHARP「ヘルシオグリエ」を購入したので義実家のバルミューダと比較レビュー【高級トースター】

2年ほど前から、水蒸気で蒸しながら焼く高級トースターが非常に気になっていました。気になっていて悶々とした生活を送っていたところ、気が付けば我が家のキッチンにシャープのヘルシオグリエが鎮座していました。不思議です。あれ?僕の財布の所持金が減っている...?気のせいか...。

 

ということで今回はこのヘルシオグリエをレビューしていきたいと思います! かなり辛口に書いていきますよ~。また先日、バルミューダ社の高級トースターである「ザ・トースター」を義実家で軽く触らせてもらってきたのでヘルシオグリエとの比較もしてみたいと思います。

 

今流行りの高級トースターとは

安ければ2000円くらいで買えるトースターですが、数年前から数万円レベルの高級トースターが流行っているのをご存知でしょうか。火付け役となったのが、新進気鋭の新興国産メーカーであるバルミューダの「The Toaster (ザ・トースター)」です。

 

トーストする際に、水蒸気を庫内に充満させることで、中はもっちりふんわり、外はカリッと焼き上げることが出来る機種です。食パンをトーストしたら美味しすぎてビビりました。たまにヨドバシカメラとかで実演で食べさせてくれたりするので興味のある方はぜひ店頭へ問い合わせを。

 

そしてこのバルミューダのザ・トースターをオマージュしたのが、シャープのヘルシオグリエです。ただし、コンセプトは完全にバルミューダのパクリですが、高級スチームオーブンレンジである「ヘルシオ」に搭載している過熱水蒸気ヒーターをそのまま搭載した本格派トースターとなります(という風にシャープは言っています)。 

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バルミューダの「ザ・トースター」を買わなかった理由

ということで、2万6千円ほどでヘルシオグリエ AX-H1を購入しました。 

 

でも実は購入する前に、ヘルシオグリエとバルミューダで焼いた食パンを食べ比べさせてもらって、正直バルミューダで焼いたトースターの方が美味しいと感じていました。

 

ではなぜバルミューダのザ・トースターを購入しなかったのか。理由は2つあります。

 

  1. 惣菜はヘルシオグリエの方が圧倒的に美味しかった
  2. バルミューダはインターネット上に「すぐ故障した。その後の対応も最悪。」という口コミが多すぎたから

 

です。

 

惣菜はヘルシオグリエの方が圧倒的に美味しかった

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バルミューダは食パンを美味しくトーストすることに命を懸けています。それくらい食パンは美味しかったです。しかしその代償として、総菜の温め直しに弱いなと感じました。(もちろん普通のトースターや電子レンジよりは断然美味しく総菜を温め直せますよ)

 

一方でヘルシオグリエは、食パンこそバルミューダに劣るものの普通のトースターで焼いた食パンよりは断然美味しく食パンを焼けますし、総菜の温め直しも非常に強かったです。

 

同じようなコンセプトの商品なのに、なぜ違いが出るのでしょうか?

 

この違いは水蒸気加熱と電熱ヒーター(←赤く光る棒状のアレ) による加熱の比率の違いによるものだと私は考察しています。

 

つまり同じようなコンセプトの製品ではありますが、目指すところが微妙に違うのです。BALMUDA The Toasterは「蒸しながら焼く、ヘルシオグリエは「焼きながら蒸す製品なのです。

 

バルミューダ ザ・トースターは、蒸してはいますがヒーターで焼くのをメインに据えています。そのため食材の中に水分を留めつつ、表面をこんがり焼くのを得意としています。なので表面カリッと中ふんわりな料理が得意なのです。逆に惣菜の温め直しのような、表面を焦げ付かせたくない料理は若干苦手なのです。

 

一方でヘルシオグリエはヒーターで焼いてはいますが、水蒸気加熱をメインに据えています。そのため食材の中に水分を与えつつ、表面を上品に軽くトーストするのを得意としています。そのためむしろ焦げ目を付かせたくない総菜の温め直しが非常に得意なのです。よって逆に表面をカリッと焼きたい料理は若干苦手なのです。

 

どちらが優れている、劣っているということではないので、どちらを買うかは好みと目的で選んでしまってOKということですね。私たち夫婦は、食パン以外でも色々な用途で使いたいと思ったのでBALMUDA The Toasterではなく、SHARPのヘルシオグリエを選択しました。

 

バルミューダの口コミ最悪問題

ということで、バルミューダ ザ・トースターも非常に魅力的な製品だと思いました。しかし残念ながらインターネット上には本製品の悪評が溢れかえっています。

 

私自身が体験した訳ではないのであまり書きませんが、「初期不良なのに交換してくれなかった」「使用して数ヶ月で水蒸気が出なくなった」「修理を受け付けていないので(格安ではあるが)新しいのを購入するように強要された」などなどです。

 

繰り返しますが私自身が体験した訳ではないのでこれらの口コミの真偽は不明です。もしかしたら悪徳業者が書いた大嘘の可能性もあります。

 

ですがこれらが本当なのだとしたらそんな製品は購入したくありません。触らぬ神に祟りなしということで今回は購入を避けてみました。やはり新興メーカーですので、大企業と同等のカスタマーサポートを求めることは酷かと思いますし、そういう対応を求めるのであれば大企業の製品を選択したほうが良いでしょう。

 

SHARP ヘルシオグリエのレビュー

ではいよいよ購入したヘルシオグリエをレビューしていきたいと思います!

 

何度も述べていますが、本機種は普通のトースターやバルミューダと違い、焼くのはオマケ程度で水蒸気加熱がメインになっています。この点を意識してレビューしていきます。

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といいつつヘルシオグリエにもちゃんと電熱ヒーターは入っていますので誤解の無いようお願いします。 

苦手料理

とろけるチーズ

まずは苦手料理からです。

 

ヘルシオグリエはトースターなのに電熱ヒーターがオマケ程度の機能しか果たしていません。そのため、表面をカリッと焼きたい料理全般が苦手です。表面が比較的焦げ付きやすい食パンは及第点ですが、私が特に不満を感じているのがとろけるチーズです。

 

とろけるチーズは熱を加えると半液体状になりますよね。そのためチーズの表面の水分を飛ばしてパリっと焼くのが大変苦手なのです。電熱ヒーターがオマケであることの弊害ですね。

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この写真のように、食パン部分の表面は良い感じに焦げ茶色に焼けていますが、チーズはややきつね色になっているだけで私が求めるほどにはパリっとトースト出来ていません。

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ちなみに同じ食パンの裏側です。裏側は結構こんがり焼けていますからこれ以上加熱するのは厳しいですね。

 

チーズだけを焼くならカリッときつね色に焼けるまで加熱すればいいですが、普通はチーズ単独では焼きませんよね。グラタンにしろピザにしろ、チーズがきつね色になるよりも先に他の部分が焦げ始めてしまいます。そのため焦げ付かせないようにしようとすると、どうしてもチーズがかなり上品な焼き上がりになります。

 

重量級の食材

体積の大きな食材もヘルシオグリエの苦手分野です。

 

例えば食パンだと、8枚切りや6枚切りは超美味しいですが、5枚切り以下は明らかに味が落ちると私は感じました。分厚い食パンの場合、中から水分が外側に供給されるからか、表面が上手くカリッと焼けないんですよね。ちょっと時間が経つと、ふにゃっと感が出てきますし。中々難しいです。

 

また分厚い総菜の温め直しもなかなかキツいです。特に分厚い上に密度の高いメンチカツが超苦手ですね。中で大量の水分と油を保持しているからか衣をカラッと焼き上げるのが中々難しいです。

 

と言いつつ、熱伝導率の大きな水蒸気で加熱するので、空気で加熱する普通のトースターと違い、電子レンジのように食材の中まで熱が伝わりやすいです。上手く焼けばメンチカツでも中心部まで熱々に出来る点は超高評価です。普通のトースターでは表面を焦げ付かせるくらい焼いても中はひんやりですよね。

 

得意料理

クロワッサン

ヘルシオグリエで温め直したクロワッサンの美味しさは異常です。バルミューダなんか目じゃないですよ。というかパン屋の焼きたてのクロワッサンよりも、ヘルシオグリエで温め直したクロワッサンの方が美味しく感じるレベルです。

 

クロワッサンは超薄い生地が何層にも重なっており、層と層の間は空気で遮断されていますから、ヘルシオグリエが最も得意とする超軽量級の食材なのです。普通のトースターだと生地が薄いためすぐ表面が焦げてしまいますが、ヘルシオグリエだと表面を焦げ付かせることなく適度に表面をパリっと、中ふんわりに焼き上げることが可能なのです。

 

クロワッサン好きの人はクロワッサンのためだけにヘルシオグリエを買ってもいいと断言できますね。ビビりました。

 

揚げ物

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マックのチキンナゲット

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ケンタッキーのオリジナルチキン

 

エビの天ぷらが特に絶品です。表面の衣は中に空気を含んでいて密度が低いので、外はサクッと中は揚げたてのような美味しさを提供してくれます。個人的には外の衣が少し焦げ付き始めたくらいが最も美味しいと感じました。

 

特に電子レンジとの違いは雲泥の差です。ヘルシオグリエで温め直した天ぷらの味を知ってしまうと、電子レンジで温め直した天ぷらが食べられなくなります。ふにゃふにゃすぎて激マズですね。

 

ただし注意点です。ヘルシオグリエで温め直した天ぷらは超絶美味しいのですが、揚げたての天ぷらの味とは全く異なります。表面の衣はパリっとするのですが、油がかなり流れ出ますので、ノンオイルフライヤーで作った天ぷらの味にかなり近くなります。

 

言葉で表現すると、揚げたての天ぷらは「サクサクッ」ですがヘルシオグリエで温め直した天ぷらは「パリサクッ」という食感です。衣に少しスナック感が出てきます。

 

私は非常に美味しいと感じるのでむしろ高評価ですが、揚げたての味を復活させたいと思って購入を検討している方は避けた方がいいかもしれません。

 

冷凍食品

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冷凍のフライドポテト:ノンオイルフライヤーで作るフライドポテトにかなり近い味です。中ホクホクです。

 

冷凍食品は、美味しくなるというよりは中までしっかり火が通るという点で得意料理です。ある程度は電子レンジの代わりになるということです。ただし分厚いものはさすがに最初に少し電子レンジで解凍する必要があります。

 

例えば我が家は食パンをいつも冷凍保存していて、凍ったパンをそのままトースターで焼いていました。食パンだと分厚くないので普通のトースターでも一応中まで温まりますが、冷凍パンだと決して熱々とは言えませんよね。

 

一方ヘルシオグリエは空気よりも熱伝導率の高い高熱水蒸気で焼きますので、中まで熱々になります。普通のトースターだと冷凍パンを焼いてジャムを塗っている間に冷えてしまっていましたが、ヘルシオグリエだとジャムを塗り終わってもまだまだ熱々です。

 

また特に私の中で高評価なのが冷凍ピザですね。冷凍ピザって焼くの難しくないですか?いきなりトースターで焼くと中が全く温まっていなかったりしますよね。なので最初に軽く電子レンジで温めたりするのですが、温めムラが出来たりして、結局そのあとトースターで焼くとそこがそのまま焼きムラになったり...。

 

ヘルシオグリエだと熱伝導率が高い水蒸気で焼くのでいきなり冷凍ピザを投入しても中までしっかりムラなく温まります。さらにチーズの表面がパリパリにならないので不評だと上述しましたが、冷凍ピザの場合はそれがメリットになります。なかなか表面が焦げないので中までしっかり火が通るまでじっくりトーストすることが出来るのです。

 

熱伝導率って?

ちなみに何度か「水蒸気は熱伝導率が高い」と書いていますが、サウナをイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。乾いたサウナよりも高湿度のサウナの方が熱く感じますよね?それです。また料理の場合、焼くよりも、水中で煮たり水蒸気で蒸したりする方が早く中まで火が通りますよね?それも水の方が空気よりも熱伝導率が高いために起こる現象です。

 

料理の味以外で気になる点 

ヘルシオグリエは調理自体は簡単です。そのため買うだけ買って使わなくなったノンオイルフライヤーなどと異なり高頻度で使用できています。非常に買ってよかったと思っていますが気になる点もいくつか...。

 

ぜひ次世代機では改良してもらいたいものです。メーカーの人にこの内容が届かないかなぁ...。

 

水路がカビるとどうしようもない

タンクに水を入れて使用するのですが、油断するとその水路がカビます。水路の水を簡単に抜く機能もあるのですがそれだけでは不十分だと感じました。せめて高熱水蒸気を逆噴射させて水路全体を殺菌消毒する機能が欲しいところです。

 

カビに汚染されても結局加熱調理する際に高温で死ぬと思うので、問題ないと言えば問題ないですが、気持ちのいいものではありませんよね。 

 

加湿器やエアコンもそうですが、私みたいな微生物学の知識のある人を開発に参加させたほうが良いよ、ホント。私みたいなw (大事なことなので2回言いましたw)

 

そういえば私が大学生だったころ、所属していた微生物学の研究室にシャープの人が来て製品の微生物テストをして欲しいとか言ってたなぁ。そういう関連の部署が無いんでしょうね。社内にそういう部署を作ればいいのに...。

 

時間表示が分かりにくい

時間表示が無駄にオシャレなので、非常に見づらいです。斜め上からだと何分にセットされたのか全然分からないのでいつも微妙にストレスです。

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この写真、3分に見えますよね? 残念!!2分半です!!真正面から見ないとこんな感じにズレて見えてしまいます。真正面からみればちゃんと2分半のところに表示されているんですけどね。 

 

トレイの品質が悪い

2017年11月にモデルチェンジしたので、最新版のヘルシオグリエAX-H2では改善されています。

 

私が購入した旧型機種のヘルシオグリエ AX-H1は、基本的なお手入れのしやすさには満足なのですが、トレイの品質の悪さが全てを台無しにしています。他は完成度高いのに何でこれだけこんなにクソな品質なのでしょうか。焼きついた油汚れはどうやっても綺麗にならないですし、スポンジでこするとスポンジ側に銀色の細かい粒子(?)が付着しますし、食洗器に入れても綺麗にならないですし良いところがないです。

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ところどころ色がくすんでいますよね。どうやっても落ちない油汚れです...。

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食洗器に突っ込んで濡れっぱなしにしておいたらフチの部分が茶色に錆びました。 

 

ちなみに我が家では使用するたびにトレイにアルミホイルを2重に被せるようにして、そもそも汚れないようにしています。

 

アルミホイルを被せる場合はアルミホイルを一度くしゃくしゃにしてから使用するのがおすすめです。惣菜の油の流れ落ちるスペースが出来るのでサクサク感に差が出ますよ。

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アルミホイルなんてめんどくさい!という方は新型にも搭載されている改善版のトレイを購入してください。私は使用したことがないので本当に改善したのかは責任が持てませんが、きっと大丈夫でしょうハハハ (棒読み)

 

まとめ【旧型と新型とヘルシオグリエレンジのどれを買うか】

 

2017年12月現在のおすすめは断然旧型のヘルシオグリエ AX-H1ですね。スペック上は新旧で性能に差がなく、新型のAX-H2はお手入れのしやすさが向上しているだけの機種のようです。

 

今現在の価格差は1~2万円です。上記の改善版トレイを追加で買ってもおつりが来ますから、積極的に新型を選ぶ必要はないですね。トレイ以外ではお手入れに関してそもそも不満はありませんし。

 

旧型の在庫が無くならない限りは新型は避けた方が無難です。

 

また最近発売されたヘルシオグリエにレンジ機能を付けた「ヘルシオグリエレンジ」ですが、私は正直半端な商品だと感じました。商品の画像をみると分かりますが、電子レンジモードとトースターモードが完全に分離しています。スイッチが完全に分かれていますね。

 

「マイクロウェーブで温める電子レンジ機能」と「水蒸気加熱」と「電熱ヒーター」をうまく組み合わせればもっと革新的な商品を生み出せたと思うのですが...なぜ別々に駆動するようにしちゃったんでしょう。

 

ウォーターオーブンの「ヘルシオ」のような多機能調理が出来るのであれば買いかなと思いますが、今の性能だとちょっと微妙かな~と思いました。ハードスペック的には次世代機には十分搭載できる機能だと思っていますので次世代機まで待つのが正解かと思いました。

 

...ということで最近話題の高級トースターを購入したので、そのレビューでした!正直に書いた方が参考になると思って辛口に書いてしまいました。ボロクソに書いている部分もありますが、すごくいい商品なのは間違いないです。ぜひ購入を検討してみてください。

 

またこちらの公式HPに、さまざまな調理例が載っています。どんな料理が作れるのかは上記公式HPのリンクからどうぞ。

 

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P.S. どうでもいいですが、この前レバーを焼いたらみずみずしくて感動のおいしさでした!