理系20代の日常レポート

「こんな情報が知りたい!」と自分が思ったことを本能の赴くままに書いてみようと思います。カメラ/旅行/家電/日常/科学関連の話題が多めです。

全く自覚症状が無いのに網膜剥離していた話

最近体のトラブルとパソコンのトラブルで更新をサボっていました。どうも、28歳理系会社員のげがんげんです。

 

さっそく本題です。先日、目がゴロゴロするなと思って眼科に行ってきた際に、とある疾患が偶然見つかりました。網膜剥離です。

 

目のゴロゴロはモノモライが原因だったので、網膜剥離は本当にたまたま見つかったということです。

 

当然、自覚症状は全くありませんでした。今回の記事でお伝えしたいことはただ一つです。

 

皆さん、たまにでいいので眼科検診に行きましょう!!

(コンタクトレンズを処方してもらう時に眼科医に診てもらえるのは目の表面だけなので、そうではなくて眼底検査をしてもらいましょう。)

 

網膜剥離とは

網膜剥離は、カメラでいうイメージセンサーの役割を果たしている「網膜」に穴が開き、そこから時間経過とともにペリペリと剥がれていく病気です。

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眼球の各部構造です。上図のオレンジ色の部分が網膜です。 (参天製薬HPより引用)

 

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(参天製薬HPより引用)

 

この網膜に穴が開き、その穴を起点に水分が網膜下に入り込んでどんどん剥がれていってしまうのが網膜剥離です。剥離した部分は光を結像出来ませんので、視野が欠損してしまいます。要は部分的に失明しているということです。悲しいことに現代医学では剥離の進行を抑制することしか出来ず、剥離した部分は何をどうやっても二度と物を見ることが出来ません。

 

網膜剥離の原因は??

網膜剥離の主な原因は、硝子体(しょうしたい)の萎縮頭部への強い衝撃の2つです。

 

上図にもありますが、硝子体とは眼球の内部を満たすゼリーのようなものだと思ってもらって大丈夫です。これが、加齢により萎縮していくのです。私は頭部への強い衝撃を受けた記憶がありませんから、硝子体の萎縮により自然に網膜剥離が起こった可能性が高いです。眼科の先生にも、硝子体の萎縮と濁りが20代にしてはキツいと指摘されました。

 

私は28歳ですから、「加齢が原因」といっても必ずしも老人になってから発症するというわけではないということです。インターネットで網膜剥離について調べていたら「20代と50代に多い」という記述があったくらいです (真偽不明なので注意)。

 

また絶対ではないでしょうが、硝子体の萎縮は近視の人ほど強い傾向があるとのことです。硝子体が異常をきたすと、飛蚊症 (ひぶんしょう。視界にニョロニョロしたものが映るアレ) が出てきます。

 

近視の人は飛蚊症を併発していることも多いのではないでしょうか。私は幼少のころから飛蚊症を発症していました。生まれつき硝子体が健全でなかったということですね。

 

飛蚊症は、ゼリー状の硝子体が液体と固体に分離したり、濁りが発生すると生じます。時間が経った豆腐は水分を多く出しますよね、そんなイメージです。「水分を出す=萎縮している」ということですから、飛蚊症の人は網膜剥離していても何ら不思議ではありません。

 

ただ決して「飛蚊症=網膜剥離」ではありませんので、不必要に不安にはならないでくださいね。不安でしたら眼科に行って眼底検査をして、何も異常がないことを確認すればいいのです。

 

【参考】私の遺伝背景と症状

さて、ここまでは一般的な網膜剥離について説明しました。次に私の症状等について少し語りたいと思います。

 

まず、証拠は無いですが私の網膜剥離は家族性である可能性が高いです。遺伝ということですね。

 

親兄弟祖父母全員近視ですし、私の兄弟2人も生まれつき飛蚊症が出ていたらしいです。また、今回の網膜剥離は右目だけだったのですが、左目も硝子体の萎縮が進んでいるのでいつ網膜剥離してもおかしくない状態ということでした。

 

これらの情報から、遺伝である可能性が強く示唆されます。

 

ちなみに私の視力は28歳現在、両目とも0.05くらいで、コンタクトレンズの矯正度は-8.0です。かなり強度の近視ですね。

 

次に肝心の視野ですが、幸いにも右目の下部で剥離していたので、視野欠損している自覚症状は全くありません。ちなみに、人が物を見るためにメインで使っている網膜の部位を黄斑というのですが、この近辺で剥離しても、自覚症状が出ない場合もあるとのことです。要は両目で物を見ていますし、少しの視野欠損は脳が勝手に映像を補完してしまいますので本当に失明するくらいにならないと自覚症状が出ないのですね。自覚症状が出てから病院に行くのでは手遅れということです。

 

私の場合はこのような検査でようやく微妙に視野欠損していることを感じるレベルです。

気休め程度ですが、皆さんもぜひ。視野の欠けを感じるようなら病院に直行してください。視野の欠けを感じなかったとしても、モニター外の場所で欠損している可能性もありますから過信はしないようにしましょう。

 

手術してきました

ということで、網膜剥離が判明したその日のうちに手術してきました。「右目網膜光凝固術」という手術です。

 

剥離していた部分は諦めるしかありませんので、剥離している部分と剥離していない部分の境界線をレーザーで焼いて癒着させ、これ以上剥離しないようにする手術です。

 

施術してもらった感想は、

 

  • 眩しすぎて涙が止まらない
  • レーザー光自体は無痛
  • 眼球が動かないように固定する装置(?)が痛い!!

 

というところです。あとは「へぇ~、緑色のレーザーなんだ。近赤外レーザーは網膜にダメージを与えるから絶対に直視するなって大学の研究室で教えてもらったけど緑色もそうだったっけ??」とかマニアックなことを考えていました(笑)

 

点眼麻酔をしますから、想像していたよりは余裕でした。皆さんも機会がありましたら怖がらずにぜひ。

 

ちなみに「右目網膜光凝固術」でしたら日帰りで大丈夫だそうです。より激しく網膜剥離していた場合は、眼内の再建術を行ったり、眼球内にガスを注入して数日間絶対安静でうつ伏せを保つ処置などなどが必要だそうです (10代の頃から網膜剥離している友人の経験談)。

 

さすがにこれ以上の手術は遠慮したいところですね。これで進行が止まるのを期待しています。

 

さいごに 

網膜剥離でGoogle検索するとお医者さんのHPばかり出るので、患者側としての今回の記事が参考になればうれしいです。一人でも網膜剥離の早期発見に繋がれば幸いです。

 

なお私は生物学者ですが、眼科は専門外ですので網膜剥離について間違っている情報があればコメントをいただけますと幸いです。修正します。

 

ちなみに手術代は保険適用ですので3割負担で約5万円でした。病院によって差があるらしいですが、5万円前後のところが多いようですね。1か月間で一定以上の医療費がかかった場合は一定額以上は健康保険が全額負担してくれる「高額療養費制度」もありますから、一応調べておくといいでしょう。ちなみに一般的な稼ぎの方でしたら月8万円以上医療費がかかった場合に適用となることが多いです。

 

保険について書いた記事で高額療養費制度について少し詳しく書いていますので参考にぜひ。

 

あとは勤務先の健康組合が独自に、より手厚い高額療養費制度を採用していることもあります。私の会社は一つの医療機関で月2万3千円以上支出した場合、2万3千円以上の分を全額負担してもらえることになっています。

 

細かい話ですが、月初めに手術してきましたので、その後の経過観察はすべて同じ月に診てもらいました。そのため診療代などは後で全額キャッシュバックされるはずです。

 

網膜剥離は何かの拍子で突然急速に進みますから、月初めまで待つのは愚の骨頂ですが、一応覚えておいてもいいのではないでしょうか。

 

ということで健康第一で生きたいところですね! 今まで歯は定期健診を欠かしていなかったのですが、これからは目も定期健診が欠かせなくなりそうです。目と歯は替えがきかないから大事にしましょう!!